2001年11月15日木曜日

Xデーから1ヵ月

やっと落ち着きを少し戻し、とにかく生活の場を見つけるのが先決。

法律事務所からも最低限の生活レベルは大丈夫と言われる。

田舎に部屋を借り、新生活が始まる。

子供がまだ小さくて良かったとつくづく思う。

それにしても、ああすれば良かったとかこうしておけば良かったなとか

思うが、全てを無くしても、また多少恨まれても、精一杯生きてきたし

仕事に全てをかけていたので、後悔はすまいと自分に言い聞かす。

似た分野で個人商売を始める。店を持たず材料の卸販売のみに徹する。

2001年10月15日月曜日

当日朝、法律事務所へ

昨日決めたとおり、朝一で法律事務所に向かう。

ひどく青ざめた顔で(後で言われたのだが)、経緯と今後の相談。

最初に犯罪行為ではない、単に払えなくなっただけじゃないと言われ、

妙に落ち着いた。これで盾ができたのかな、と感じていた。

とうとう、銀行閉店時間15時経過するも、案外連絡なし。

17時頃から先ずはメインバンクから携帯に連絡あり。

当然ながら携帯の電源は落としてあり、臨時のウィークリーマンションにて

手続きに入り、即入居する。

夜は開き直って携帯にかかる電話を全て受けた。

10分おきにかかる電話、全てに謝るしかなかった。

信頼していた業者も手のひらを返したような態度で挑んでくる。

この日から携帯が止まる1週間くらいが、人生で最も暗かったかも。

2001年10月14日日曜日

事実上の倒産を決意(前日夜)

何も贅沢もしてない。自分用に私物も買ってもいない。

ただただ毎月毎月、経営する会社の資金繰りに追われていた。

従業員の給与だけは最優先して払ってきた。

しかし、今後の展開見込みも考慮し、Xデーの前日に

当時の幹部を集め、それぞれの見解を出し合った。

明日の手形期日分の決済がもはや不可能だ。

後で思えば、落ち着いて対処し、まだ打つ手はあったかもしれない。

皆で出した結論は明日朝一で法律事務所に駆け込む、つまり

明日から営業を停止することにした。

この時は、その後に大変な毎日が訪れるとは考える余裕すら無かった。